Jeffrey

Nは骰子を振った……のJeffreyのレビュー・感想・評価

Nは骰子を振った……(1971年製作の映画)
2.8
‪「Nは骰子を振った……」‬

冒頭、Nと呼ばれる男。
声が誘う迷宮の旅。想像、時と空間、夢幻の反復、危険な戯れ。サイコロを転がしながら男が語り始める。金髪ショートの2人の女性、分身、港の描写。伝統的なアラブ建築、海水浴。今、芸術的哲学と暴力の混合を見せつけられる…

本作はアラン・ロブ=グリエ が監督と脚本を務めたカラー映画第2作目で、主演は前作に引き続きカトリーヌ・ジュールダン。

前作の続編のような(再構築したかの様な)始まり方をする。かわらずのミシェル・ファノの不気味な音楽が全編を通し我々に不安を与える。

ほとんど似たような中身だが短縮されて70分台で終わる本作は前作にあった拷問のシーンなどエロスも全て排除されている。

調べた所によると、どうやらフランスでテレビ放映されたらしい…これで納得は行く。

またその土地に住む人々の生活基準をスライドするカメラが映し出したりカット割りで目撃させる。

音の出し方を披露するシークエンスはわりかし好きだった。瓶の破片を裸足で歩くシーンで映像と音響をうまく合わせているようだが、仕掛けがバレバレでそこはちょっとナンセンス。

ゴダールに作風が似ているからと簡単に低評価にする事はできないが、前作よりかは緊張感があまりなくて残念だ。

とにかくフランスの作家と言うのは引用が好きだ。

ゴダールにしろブレッソンにしろグリエにしろ様々な絵画を連想させたり、イデオロギーをぶつけたりと…。

とりわけこの映画はアートホラーだと個人的にはジャンルつける…。‬

‪正直似たような作品を連続で見せられると苦痛でしかない…

多分、彼の作品の中では最も最下位に当たると思うが、だからといって凡作とは言えない…見る必要は無いが。‬
Jeffrey

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