adeam

ドリラー・キラー 劇場公開版のadeamのレビュー・感想・評価

2.5
自堕落な暮らしを送る売れない画家が電動ドリルを使った殺人鬼へと化していく様を描いたカルトムービー。
治安も景気も最悪だった70年代のニューヨークの片隅で虫ケラのように生きながら自意識を肥大させていく男の姿は「タクシードライバー」を彷彿とさせました。
トラヴィスが鏡の中の自分に凄んで見せる名シーンをパロディするように、今作の主人公は自身が描いたバッファローの絵に対して何見てるんだとナイフを向けます。
名作と比較してしまえばストーリー構成も演出力も遠く及ばないですが、主演も務めた監督のアベル・フェラーラの怒りと憂鬱に満ちた目つきは主人公と同一化しているような危うさを感じました。
adeam

adeam