ヘンリークリンクル

BOLTのヘンリークリンクルのレビュー・感想・評価

BOLT(2019年製作の映画)
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福島原発事故をテーマにした作品。
【BOLT】【LIFE】【GOOD YEAR】という3つのエピソードで構成されていて、全てのエピソードを通して永瀬正敏が多くは語らない渋い男を演じる。放射能をあえてなのかどうなのか可視化しているトコは議論の余地がありそうな…

【BOLT】
原発内の冷却水漏れを治しに内部に侵入する男達の話。冷却水漏れの原因がたった1つのボルトって言うのはねぇ…しかもアナログな治し方… なんかに対する皮肉が込められてるのかな?あと、ヘルメットの中をあんなに明るくしたらヘルメットの外は何も見えないんじゃ?と終始変な所が気になって仕方なかった。

【LIFE】
事故後も避難指示区域に留まって亡くなった男の遺品整理をしにいく話。亡くなった老人、同僚(上司の男)、役人、皆が疲弊していく中、良くも悪くもそれぞれの考え方や立場というものがあり、それは仕方ない現実なのだろう。

【GOOD YEAR】
車の修理工場で何かを黙々と治す男。原発の復旧作業に参加したい思いがあるが、既に被爆放射線量をオーバーしているために働く事ができない。良い働き手はお金も良く安全な東京オリンピックの工事に流れていると…。
そんななか、年末の夜、男のもとに突然現れた女性。2人は最低限の会話(いやソレ以下)しかせず女はまたすぐ消えていく。あの女は幻だったのだろうか?男には何かを感じるものがあったのであろう。個人的にはこのエピソードが1番好き。


いろんな意味で評価しづらい作品なのであえて星はつけませんが、この事故は決して風化させてはいけないし、2度と同じ過ちを犯してはいけないという事。