まる

ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間のまるのレビュー・感想・評価

3.5
''性別の向こう側へ。''
女性の体を持って生まれた、男の子の話。「体を直したい」と思うこと。その言葉が、私には考えたこともないことだったから、あまりにも印象に凝っている。教えてくれてありがとう、と、強く思うのだった。震災ドキュメンタリーの「生きる」をみた時にも思った。残すことは辛いこともあるはずなのに、それを残してくれたことに、ありがとうと。

どの分岐点も許せるような開けるような存在になりたい。
性の観念は当事者にとっても移ろうもの。なんか違和感がある、から始まる自己理解の芽を私は、摘みたくない。

許すための日々で、取り戻していくための日々。
プラスにいくにはまずゼロにしないといけない、それはやりたいことじゃない、手段でしかない。と話す姿。

家族へのカミングアウトがいちばん難しかった、と。親だからこそわかってくれることとわかりたくないと。でも、親も人間だしなあとも思う。
カミングアウトされたとき、こちらは相手に対して、「騙されていた」、って本気で思うのか?目の前にいたあの人って、なんだったんだろう?一緒に過ごした時間も、見せてくれた姿も、何一つ嘘じゃないのに。騙されたなんて、思うの?
その人をその人たらしめるものは、性別だけなわけがない。と思っていたい。

中島さん、おもろい。

裁判所から帰ってきた姿を見て思わず拍手しました。
今めっちゃ幸せですと聞けて本当に良かった本当に‼️‼️‼️‼️

時間をかけて自分を知っていく。それを、生涯かけてやっていく。
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