Aiko

わたしは分断を許さないのAikoのレビュー・感想・評価

わたしは分断を許さない(2020年製作の映画)
3.7
ポレポレ東中野で鑑賞。
福島、沖縄、香港、中国・・・世界中で起きている様々なこと。知っていることも知らないこともあったけど、全部ハッとさせられるような内容ばかり。冒頭、香港の民主化運動から始まる。先月「香港画」を観てデモの激しさは知っていたけれど、何度見ても、本気で怒る人たちのぶつかり合いには涙が出てしまう。なんでこんなことが起きているんだろうって思う。

次に難民として日本に逃れてきた方々の辛い状況。難民申請の許可率がすごく低いことは知っていたが、ちゃんと目を向けたことはなかった。
様々な理由で自国にいることが困難だから日本に来ているのに、彼らも自ら望んで来ているわけではないのに、難民にすらならせてあげない日本は何を恐れて、何を守っているんだろう?品川の高層ビルの中に収監されている方々に申し訳なくてならない。

そして福島の人々。原発によって自宅に住むことが出来なくなり復興住宅に暮らす女性は、「被災者の中でも〈国から補償金を貰っている、貰っていない〉」で、福島の人たちの中にも妬み・嫉みが生まれていると言っていた。そもそも原発の事故が起きなければ、存在しなかった対立。市民のそんな軋轢を生んでおきながら、汚職を起こしたり、コロナ中に大勢で外食をしたり、必死にオリンピックをやろうとしている偉い人たちの顔が浮かんでやりきれない気持ちになった。

映画の中では様々なテーマが投げかけられていたけれど、きっと一つ一つ一本の映画が撮れるくらい。全て現在進行形の問題だ。私にできることは、世界で起きていることをちゃんと知って、必要な時には声を上げることだと改めて思った。
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