真っ黒こげ太郎

デンジャー・クロース 極限着弾の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.0
緊迫感200%を体験せよ!

一瞬の隙で命が消える、壮絶な戦場…。




ベトナム戦争下の1966年。
オーストラリア軍の基地をベトコンが襲撃するも、どうにか迎撃する。
その後、迫撃砲の発射地点を突き止める為に、ハリー・スミス少佐率いるD中隊が農園地帯“ロングタン”へと向かう。

しかし、ロングタンではベトコンの大群が待ち受けていた!!!
大勢の敵に囲まれ、味方の小隊も次々にやられて、弾も尽きてきてどんどん追い詰められていくD中隊。

やがてハリー・スミス少佐は自分たちが居る場所を砲撃する命令"至近着弾(デンジャー・クロース)"を発令する…。




実際にオーストラリア軍108人とベトコン兵2,000人が対峙した「ロングタンの戦い」を描く、オーストラリア産の戦争アクション映画。
実際に起きた戦闘を描いた戦争映画だが、ドンパチが多いとフォロワーさんから聞いたので鑑賞。
(因みに配給はB級戦争映画を数多く排出している彩プロ。とは言え本作は小規模ながら劇場公開された様だ。)


最初の30分はやる気のない兵士のグダグダな生活が描かれており、正直どうなるかと思ったが、その後敵軍が攻めてきてからは激しい戦いの連続。

銃弾がバンバン飛び交い、火薬の爆発があっちゃこっちゃで大展開。
舞台が森の中なので木や地面の爆発だらけだが、それでも十分な迫力でかなりの火薬量。
ゴツイ榴弾砲はバンバン弾を放つし、敵兵も爆風で豪快に吹っ飛ぶし、装甲車もガンガン乗り回すわで、ドンパチ指数に関しては概ね満足。

敵のベトコン兵は物凄い大人数で、まるで怯むことなくひたすら雄たけびを上げながら休むことなく襲ってくる。
どれぐらい休みがないかというと、敵が撤退して「お、ドラマを挟むのかな?」と思った数秒後に仲間が撃たれて死んで(爆)また戦闘が再開されるレベル。w
その為戦闘がひたすらに続くのだが、その分ダラけたドラマも無いのはドンパチ目当てとしては嬉しい。
まるで感情もない感じで襲ってくるベトコン兵は「要塞警察」のひたすら襲ってくる犯罪者を彷彿とさせる不気味さがある。


無駄なドラマが少ない反面、登場人物に関してはぶっちゃけ無個性な連中だらけで(爆)、バンバン死にまくるので感傷は湧かない。w
「俺帰ったら結婚するんだ…」というベタな死亡フラグを立てるキャラも居るし、その後の末路もお察し。w
まぁ銃弾が飛び交う死と隣り合わせな戦場ではドラマもへったくれもないから、リアルな戦場を描くならこれが正しいのかもしれないけどね。
(因みにラストで実際の兵士の写真とキャスト陣の比較映像も描かれている、瓜二つレベルでそっくりな人から余り似てない人まで勢揃い。)

後、この手の戦争アクション映画としてはしっかりそつなく描いてるとは思うけど、内容や展開やアクション演出に関して「これぞ!」といった突出した要素が無かったのは惜しい。
スケールは大きいし、火薬量やドンパチに関しては文句ナシだっただけに、そこら辺の捻りがもうちょっと欲しかったですね。


ストーリー的には弱いし、残酷シーンも殆ど無い、尖った部分も余りないが、それでもハードなドンパチの連続で壮絶で緊迫感のある戦闘を描ききった姿勢は拍手。
ひたすら壮絶なドンパチメインで押し切る為、人によっては合わないかもしれないけど、俺みたいに(爆)壮絶なドンパチを求める人はお好みでどうぞ。