バランシーン

デンジャー・クロース 極限着弾のバランシーンのレビュー・感想・評価

3.5
正直期待値はあまり高くなかったので、意外にと言ったら失礼だが面白かった。
ベトナム戦争モノなのだが、オーストラリア軍視点というのは新鮮。66年のロングタンの戦いを描いている、とのことなのだが、全く分からない(笑)でも、66年8月ということは「サーチ・アンド・デストロイ」に作戦移行し、無差別攻撃・殲滅戦の泥沼にハマり始めている時期。軍の内外でこの戦争の意義に対する疑問符が出始めている頃という背景。
とにかくドラマは典型的で、正直稚拙。結構平然と「この戦争が終わったら、俺、結婚するんだ」フラグが出てくるし、キャラの描き込みもない。主人公のスミス少佐もそこまで没入させてくれる魅力はない。では、何が見所かというと、戦場のストーミング=混乱のようなモノがしっかり描けている点。キャラの描き込みがなく、無名のキャストがほとんどということで、逆に今何が起こっているのか?が観てる側も掴み切れず、作中同様の混乱と動揺に落とし込まれる。この感覚は良かった。
なので、120分間緊張感がしっかり持続します。あまりドラマに期待せず、自分も新兵のつもりで戦場のストーミングと不条理に身を委ねるのが正しいのかな。
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