ジンロク

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男のジンロクのレビュー・感想・評価

4.0
資本主義は恐ろしい経済システムである。その昔、マルクスやエンゲルスらの社会主義者が予測したことは的中している。資本主義の欲望は止まることを知らない。本来、その恐ろしい経済システムを、民主主義という政治システムで制御・抑制しなければならないのだが、多くの政治家も企業の意向を受けたロビイストに飼い慣らされている。民主主義は経済優先の世界では機能していない。企業も政治家も労働者や消費者の健康より,企業の利潤が重要である。なぜなら彼らの多くは企業の株主であり、株価の上下は彼らの資産形成に直結するからである。有産階級にとって無産階級の苦しみなどどうでもいいのである。
というような資本主義経済の実態を突きつけながら、その弱者を司法の場で奮闘して救済しようという弁護士の話。「巨大企業が恐れた男」という副題はついているものの、実際は「企業にとってとても面倒くさい男」という所でしょうか。アメリカの良心はまだ多少は機能しているようです。
政治などに意見表明をするだけでたたかれまくる極東の島国よりはましなようです。
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