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ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男のcathyのレビュー・感想・評価

3.8
2本立て上映で予備知識完全0の状態で見ましたが面白かったです。
「環境公害の集団訴訟」という地味なテーマなので日本ではそんな流行ってませんが、キャストがめっちゃ豪華。
マーク・ラファロの演技が素晴らしい。
物語の最初は「環境汚染の原因がわかってめでたしめでたし!依頼者からも大感謝されて友情が芽生えました!」みたいなラストなのかなと思いましたが、そんな一筋縄では行かなかった…。
「まだ続くの?」という気持ちこそが実際に訴訟に関わった人たちの気持ちだと思います。
実話に基づいてるからこそ、見るのがつらい場面もかなりありました。
大きなことを成し遂げたときというのは映画みたいにドラマチックな瞬間ではなく、これくらい些細な瞬間なのかも。
主人公の奥さんの気持ちがいまいちよくわからなくて「フィクションかな?」となりましたが、裁判の証拠集めなどはリアリティがあって見ごたえがありました。
名門法律事務所なのにクビにせずにずっと自由にやらせてくれる社長も素敵。
あと、この映画を見てしまうと、もうデュポンの製品を買おうとは思えなくなる…。
デュポンのせいで病気になったのに、「デュポンはいい企業」と盲信する地元の人たちに、大企業に頼らざるを得ない地方の闇を感じました。
原発に雇用を依存してきた田舎町や、米軍基地に経済的に依存してる沖縄とかを彷彿とさせる。
(実際、米軍基地での消化剤が原因で本作と同じ化学物質が沖縄の地下水を汚染していた事件もあった)
環境公害なんて日本の1960年代の話でしょ?と思いきや、2020年代の今になってもアメリカで係争が続いてることに衝撃でした。
化学物質を過剰に嫌悪する人、陰謀論を唱える人は一見おかしく見えますが、実際に健康被害が出ていることを考えると一概におかしいとも言えないなと考えさせられました。
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