はぐれ

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男のはぐれのレビュー・感想・評価

3.8
同性愛や人種を越えた愛の物語などを制作して常にタブーと戦ってきたトッド・ヘインズ監督。その新たな相手は大企業だった。

水俣病のような工業被害が現代のアメリカにも存在しているなんて知らなかったので衝撃…。こんな蛮行を現在も野放しにしているなんて中国のことをとやかく言う権利なんて全然ないよね。しかも被害はアメリカだけには留まらずに私達の生活をも脅かしているなんて…。主人公のマーク・ラファエロ演じる弁護士が深夜に台所用品をひっくり返していたけど、そうなってしまう心境が痛い程わかる。とりあえずフライパンを鉄製に変えないと🤦🤦

デュポンの会長への聞き取りの後の描写が秀逸。駐車場へ向かいマイカーの鍵を回すまでの緊迫したモンタージュ。そりゃ強迫観念から周りが全員敵に見えてしまうよね。追い詰められた主人公の心情を的確に表している名シーン。

そしてラストのキャストのクレジットが一番の衝撃。この問題が決して過去のものではなく現在進行系のものだと痛切に訴えかけてくる。やるせない😢
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