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カミーユのtetsuのレビュー・感想・評価

カミーユ(2019年製作の映画)
4.5
オンライン映画祭"マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル"にて鑑賞。
(本作を含む長編作品は、アマプラ、U-NEXTなどで配信中。)


[あらすじ]

内戦間近のアフリカにやって来た写真ジャーナリストのカミーユ。
過酷な惨状を目の当たりにしながら、現地の真実を伝えようとする彼女の様子を描く実話を基にした伝記映画。


[感想]

ロカルノ国際映画祭の観客賞受賞も納得の伝記映画。

セレカと反バラカが対立した"アフリカ内戦"という、かなり堅い背景を持った作品ながら、主人公・カミーユの魅力で最後まで惹きつけられる作品だった。

ジャーナリズムの最前線に飛び込んだ主人公が、残酷な現状を直視しながらも、写真を撮り続ける姿。

そんな様子を、まるで、ドキュメンタリー映画のように近い距離感とリアリティで、その旅路に同行するように描かれていく様が素晴らしかった。

また、彼女が地元の人々や現地に来たカメラマンと出会い、短時間のうちに親交を深めていく姿に勇気づけられる一方で、身を危険にさらしたり、ふと殺人の傍観者にもなってしまう描写には、ジャーナリストの凄みと狂気を感じた。

全体として、堅実な作りで、リアリティを追求した戦場の描写や、社会派な内容に苦手意識を感じてしまう人もいる作品だとは思ったが、「ジャーナリズム」を考える上で、観ておいて損はない作品だと思った。
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