「カルメン」といえばオペラが最も有名だが、この映画は原作寄りな仕上がりと言えるだろう。
「わたしはカルメンよ。誰の指示も受けない」
自由気ままに生きるジプシーの女性、カルメンを演じるのはリタ・ヘイワース。
彼女の情熱的な踊りはさすが。
リタ・ヘイワースのスペイン風の踊りが見られるだけでも観る価値あった!
「ギルダ」など数多くリタと共演したグレン・フォードの真面目なドン・ホセもはまり役だったと思う。
全体的にスペインの情熱的な雰囲気を感じられてよかったが、ちょっと地味だったかも。
冒頭で述べられていた、カルメンという存在が当時の社会の負の側面を表しているのを強調したかったはずだが、そこが弱かった。
ドン・ホセのカルメンから受けた影響による悲惨な運命が負の側面なのかもしれないが、ホセがメインのシーンが多すぎたように感じた。
やはりカルメンはオペラが一番かなと思ってしまう。
ただ感情が激しくぶつかり合うラストはとても好き。
カルメンの奔放で気まぐれなキャラクターをリタ・ヘイワースは好演していたのが一番この映画での魅力だと思う。