思わず笑ってしまいそうになりながら、同時に青褪めたりする薄ら寒さを覚えつつ、エンタメでありつつもその物事の行いや問いの視点をさり気なく踏まえながら描かれて行く物語が抜群の面白さ。
あまりにも見事過ぎるあの描き具合が最高過ぎた♪
物語が描かれて行く中で、布団を叩く音が何気に凶悪なインダストリアル音と化していたのには笑った(笑)
そして鳴り響く音の中で細かくズームアップしてたその撮り具合がメチャクチャ良かったなあ。
主人公が編集者の元に訪ねて繰り広げられるその会話の中で、主人公が描いた小説に対するその言葉がこの映画の土台でもあるように感じたし、それは世の中に置き換えても良いよなと思ったし、とても深く響いた所でもあって。
その見えてなさが相手ばかりを問う愚かさや醜さ、それが正しい事で良かれと思ってやってる事が空回りするあの感じをとても奥ゆかしく、ユーモアを交えながら描かれて行くあの感じがとにかく見事だったし、それは誰にでも思い当たる所で身近な所の話で、とても楽しめた。
特に"非常識"をまるで協奏曲のように奏でるかのような描き具合があまりにも最高過ぎたし、メッチャ笑ったけど。
でもあれってある種、鏡のような感じもしたし、何処かでお互い重なり合う所があったりもして、あの構図見事過ぎたなと。
非常識協奏曲を鳴り響かせるかのように描いた後で登り詰めて行くあの感じが抜群の面白さだったし、そこから急転直下で展開した物語の重みや深さを存分に堪能する事が出来た。
最後に今までの行いを供養して、成仏させるようにして、この映画の落とし所をしっかり魅せてたあの感じがあまりにも素晴らしかったし、なんかとても愛おしく感じられた所でもあったから、最高だった。
笑えるはずなのに何処か凍りつく、さりげなくその問いを提示しながら描かれて行く物語が抜群に面白かったし、ある種現代社会を確実に撃ち抜いているあの素晴らしさがとにかく圧巻。
2020年を代表する映画の一つと言っても良い位、最高に面白い映画でした。