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死神の来ない村のlpのレビュー・感想・評価

死神の来ない村(2019年製作の映画)
3.1
東京国際映画祭にて鑑賞。

アジアの未来からイランの『死神の来ない村』。
今年のアジアの未来部門のイラン映画では『50人の宣誓』の方が気にはなっているけれど、今作の「45年間1人の死者も出ていない村」という設定のユニークさにも惹かれたので鑑賞することに。奇しくも今日はコンペの『ジャスト6.5』と前述の『50人の宣誓』の上映も予定されており、まさに「イラン映画祭」のようなスケジュールだ。

映画の舞台は前述の通り、イランの山間部にある「45年間死人が出ていない村」。その村では100歳近い独身の老人達が、コミュニティを形成して暮らしている。彼らは「死ねないこと」に対して嫌気がさしており、日々「どうやったら死ねるか」を考えている・・・という話。

ユニークな設定を下地にした「生と死」を巡る人生のドラマを、ユーモアも交えて寓話的に描く。
開始数分で観客を惹き付ける掴みの速さは素晴らしい。しかし、その後が続かなかった。話の内容が基本的に「死のうとする→失敗する」の繰り返しで手数も少ないため、途中で退屈してしまった。テーマと題材は良いだけに惜しい。

個人的には「もっと面白くなったはず」と感じているけれど、独創的な設定とストーリーが審査員に刺されば、作品賞の受賞はあってもおかしくないと思う。
もう1回期間中に上映の機会があるので、気になる方はこの機会にぜひ。
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