映画好きの柴犬

タイトル、拒絶の映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)
3.7
地味子がキャピ子に

デリヘルで働く女性たちの群像劇。

 山田佳奈が主催する劇団の公演を自身で映画化。なるほど、舞台はほとんどデリヘルの待機部屋という演劇的作りも納得。ある意味底辺に生きる女性たちの、仄めかされる底辺にいる理由や、底辺でのマウントの取り合いをリアルに描く。ただ、内容は想定内でちょっとインパクトには欠けたかな。臨場感がある舞台だと、また印象違うんだろうけど。

 女優陣は、伊藤沙莉、恒松祐里、佐津川愛美らのお気に入りバイプレイヤーズが個性を発揮していて、それだけでも見る価値あり。主演の伊藤沙莉は狂言回し的役割で、ストーリーの中心になっていくのは恒松祐里。「殺さない彼と死なない彼女」で演じた地味子とは逆のキャピ子的な、寂しさを紛らわすために常に空笑いをしているキャラクターで、痛々しさが沁みた。