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タイトル、拒絶のlpのレビュー・感想・評価

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)
4.0
東京国際映画祭にて鑑賞。

日本映画スプラッシュ6本目は昨年『月極オトコトモダチ』で、役者として舞台挨拶に登壇していた山田佳奈監督による『タイトル、拒絶』。
主演の伊藤沙莉がQAに登壇する効果もあってか、チケットが販売開始10分で完売した今作。私も販売開始日にはチケットを購入出来ませんでしたが、後日に辛くもキャンセル枠に滑り込めたので鑑賞。

デリヘル嬢と、彼女達を支えるスタッフの姿を捉えた群像劇。
アンダーグラウンドな世界に生きる人々の姿を描くとなると、暗さや重さが作品から出てしまいがちだけど、今作はユーモアも交えつつ軽やかに人物描写を行えている。この時点で好感度は高めだ。
また、人物描写の掘り下げが甘くなりがちな群像劇にあって、今作は各キャラクターの掘り下げがしっかり行われていて素晴らしい。今作の山田監督は、人物描写に関しては長編1本目とは思えない手腕を発揮している。

ストーリーに負けず劣らず、キャスト陣の素晴らしさも際立つ。
主演の伊藤沙莉を筆頭に、恒松祐里に森田想、佐津川愛美、片岡礼子、モトーラ世理奈と豪華な女優陣がズラリ。見事なアンサンブルを披露する。特に驚かされたのは恒松祐里で、「表情」の力だけで見事な演技を披露している。

群像劇の良作でした。気になる方はぜひ。
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