ちょめ

どうしようもない僕のちっぽけな世界は、のちょめのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

渋谷のユーロスペースにて鑑賞
旗揚げというべきか初回から知っているオーストラ・マコンドーの演出、倉本朋幸さんの初監督作品

主人公の男が兎に角どうしょうもなく駄目な男で胸糞悪くなる瞬間がいくつもあるのだけれど、時々垣間見える人の良さや人間らしい部分で、ついつい期待を持って見守ってしまう部分もある、それをまた上回るかのように、屋上にひいろちゃんを上げてハシゴを外す場面や、腕をめくってタバコの焼け跡が見えてくる場面は、ゾクッとするほど恐ろしく気持ち悪くなるほどだった

普通に生きたいだけなのに、何かがかけ違ってしまいこんな人生になってしまった、あの時こうしていればという後悔は誰しもが持っているであろう感情であって、誰しもが彼のような部分を抱えているんだとも思う

パチンコや男に明け暮れて保育園の迎えさえろくに行かないママもまた、胸糞悪い役柄でひいろちゃんとあっているときは、さも母親面をするものの、結局は表面的な優しいママを取り繕っているだけで、子供への愛情を感じない

そんな嫌な役どころを久しぶりに見た和希沙也さんが見事に演じていて、表情とか本当に嫌な女って感じが出ていた

また、美保純演じる母親も駄目な息子とわかりつつ、お金を工面してしまう所もまた、気持ちはわかるけど、、、

それをやったら駄目だよ!ってのを皆やっちゃうから、それがまた苦しくて痛い

重く苦しく、痛々しい上に苦味もある、そんな中身だったからこそ、最後に楽しげにダンスするひいろちゃんの姿が太陽の日差しの中で一層輝いて見えた

クリープハイプの曲も良かったなあ〜あれ含めて少し救われた気がする


マコンドーのメンバーである後藤さんとカトウさんが倉本監督の元、映画に出ていることもまた、違う感情が浮かび上がってきて、素直に本当に本当に嬉しかったw

これからも思うがままの倉本朋幸監督作品を見たいと思った
ちょめ

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