りょうた

ラ・ジュテのりょうたのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ずっと観たかった作品をやっと見ることが出来た。物凄く良い作品だった!ずっと観たかったもののクリス・マルケルの作品はほとんど見た自分にとってSFの劇映画と聞いて嫌な予感が何処かにあった。表現主義的な強烈なイメージで溢れてしまうようなそんな予感がしていたから。ただ、そんな自分が馬鹿らしく思えてくるほど、美しく綺麗な作品だった。映画は必ずしも映像である必要はあるのだろうか。静止した写真の方が動く映像よりも多くを語ってくれるのではないだろうか。空港を俯瞰気味に撮影した冒頭で素晴らしい作品だと確信出来た。ほとんどがスチールで撮られた作品である(ベッドで寝転ぶ女性の瞬きは動いているだろう)ということも非常に大きいと思う。静止したイメージ。おそらく動く映像で撮られていたなら、ここまで感動しなかっただろう。何より記憶の女性を演じるエレーヌ・シャトランが美しすぎる。この主人公が勝利者によって記憶の中の女性に会うように、自分もエレーヌ・シャトランを観るためにまた観るだろう。
これだけ新鮮で尚且つ面白く綺麗な作品があるのか。永らくわたしたちはファシズム化された映画に慣れすぎたのかもしれない。そうとは知らないうちにね。
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