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ラ・ジュテのmのレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
4.0
あっと驚く瞬間はとうに過ぎ、すぐさまその世界観に引き摺りこまれる。こんな濃密な30分があっていいのか。素晴らしい作品だった。

第3次世界大戦後。パリは廃墟と化し、戦争を生き延びた数少ない人類は放射線を避けて、地上から地下へ逃れ、やがて「支配者」と「奴隷」に別れて暮らすこととなる。そんなストーリーでのちに『12モンキーズ』でリメイクされる作品。なので、『12モンキーズ』を知っているとより今作を楽しんで観られるかもしれない。

ストーリーもさることながら、画のつくりが素晴らしい。斬新な表現方法はモノクロの静止画で構成されている。スチール写真とナレーション、時たま動画という一歩間違えれば破綻しそうなものを巧みに操り芸術作品へと昇格している。
一枚の写真が構図からなにからばっちりで写真集が欲しい。またSFの作品にアナログを持ってきたのがより近未来を際立たせてい好みでした。

ストーリーも伏線回収が素晴らしく、『12モンキーズ』でリメイクされるだけある。

ざわざわとナレーションとは別に人間の生活音が入っていたのが好き。
SFは今作を通らずして語れないと思う。良い作品を観ました。

ストーリー : ★★★★★
映像 : ★★★★★
設定 : ★★★★☆
キャスト: ★★★☆☆(エレーヌ・シャトランさん美しい)
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆
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