クリーム

ラ・ジュテのクリームのレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
3.9
「12モンキース」の元ネタだと教えて頂いたので観賞。ああ、なるほど。
静止したモノクロ写真のスライドショーの様な構成にナレーションが付く“フォトロマン”と言われる短編なのだそう。凄く美しい写真を上手く繋ぎ合わせていて違和感はありませんが、変わった技法で一見の価値あり。内容も短い時間の中にギュッと凝縮され、無駄がありません。面白かったです。

第三次世界大戦が終わり荒廃した地球。 物資不足解消の為、科学者達はタイムトラベルの実験を試みていた。しかし、被験者は大抵、死ぬか廃人になるかだった。そんな中、幼少期に空港である美女と側にいた男性の急死という強烈な記憶に取り憑かれた男は、実験をパスし、タイムトラベルを成功させて行くのだが。



ネタバレ↓



実験が行われるのは、 ハンモックの上。タイムトラベルの描写は注射するシーンのみ。何かの線のついた目隠しがされます。これがタイムトラベルの装置って、発想が凄い「不思議惑星キンザザ」のワープみたいだ。
男はまず過去へ。16日目、空港の送迎台で、見覚えのあるあの女と出会う。30日目、2人は再会し公園でデート。 男は未来から来た事を話す。 実験室と女のいる過去へを繰り返す。50日目、2人は博物館で会う。女の方は出たり消えたりする男に慣れてしまい、男が突然消えても気にしない。
過去へのタイムトラベルが成功したので、次は未来。 女とは博物館が最後になった。 過去より未来の方が難しいが 男は成功した。未来人は初めは過去の人間を拒絶するが、「私達がいないとあなた方未来人は存在出来ない」と説得し、エネルギーを持ち帰る事に成功。役目が終わり抹殺されるのを待つ男。 未来人がタイムトラベルで現われ、男を仲間として受け入れると言うが、男は女の待つ過去へ戻して貰う。
空港の送迎台で、女を見つけ、走り出す。しかし、追跡者に撃たれてしまう。少年の頃に見た映像はこれだった。 THE END。

結構なストーリーが、ギュッと詰まっていて面白かったです。
「12モンキース」は核戦争ではなく、謎のウィルスによって絶滅の危機に瀕していたり、主人公の任務がウィルスの出所を探す事だったり若干違うけど、かなり似ています。「12モンキース」を再観賞したくなります。どちらも個性の強い面白い作品だと思いました。

※針さん、ありがとうございました♪︎
クリーム

クリーム