けーはち

ラ・ジュテのけーはちのレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
3.6
「フォトロマン」というスチル写真のパラパラ漫画に音声を合わせたものでタイムトラベルSFを表現。WW3で荒廃した近未来の男が過去と未来に助けを求める。彼はかつて平和だった過去の世界で、とある女性と時空を超えたロマンスを繰り広げ、そして遠未来との交信の果てに何を見るのか。過去と未来を往来する男の記憶と認識はもうグチャグチャで、ガジェットや特撮表現などはないモノクロ写真の連続である本作において主人公の時間認識の混乱こそが最もSF的な仕掛け。プリミティブに過ぎるが29分という短尺ゆえに飽くことなく世界観に引き込まれる。