ナツミオ

約束の宇宙(そら)のナツミオのレビュー・感想・評価

約束の宇宙(そら)(2019年製作の映画)
4.0
WOWOW録画鑑賞
"あなたがいるから、頑張れる”

仕事と子育ての両立に苦悩しつつ自らの夢実現のために奮闘するシングルマザーの女性宇宙飛行士を、エヴァ・グリーンが切なく好演した感動ドラマ。

第67回サン・セバスティアン国際映画祭審査員特別賞受賞

原題 『Proxima』

2019年仏・独作品
監督・脚本 アリス・ウィンクール
共同脚本 ジャン=ステファヌ・ブロン
音楽 坂本龍一
撮影 ジョルジュ・ルシャプトワ
出演 エヴァ・グリーン マット・ディロン ゼリー・ブラン=ルメール アレクセイ・ファティーフ ラース・アイディンガー
翻訳者 横井和子

(WOWOW番組内容より追記)
ドイツの欧州宇宙機関(ESA)で働くフランス人女性宇宙飛行士サラ(グリーン)。
ドイツ人で宇宙物理学者の夫トーマス(アイディンガー)と離婚し、今や7歳の幼い愛娘ステラ(ブラン=ルメール)と2人で暮らす。
宇宙ステーションに長期滞在するミッション"Proxima“の追加メンバーに選ばれ、2ヶ月後に迫った出発を前にして、アメリカ人宇宙飛行士のマイク(ディロン)ら、他のメンバーたちとともに厳しい訓練に励むこととなる。やむなく娘を前夫トーマスのもとに預けたサラだったが、ステラは母を恋しがり、サラも自らの夢と娘への愛情の板挟みになって苦悩する。
ミッションにあたる約1年の間娘と離れ離れになることになり、過酷な訓練の中、ステラはサラと、打ち上げ前に二人でロケットを見たいと約束をするが……。

撮影は欧州宇宙機関(ESA)の全面協力の下、ドイツ、ロシア、カザフスタンの宇宙関連施設で行われた。
また、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が本作に賛同して初めて洋画作品を後援。

原題の"Proxima”は国際宇宙ステーションのミッション名。

家族2人の母娘が、宇宙へ行く母親の夢を叶えようとする。

母娘、そして元夫との家族の物語であり、母娘それぞれの親離れ・子離れの試練、葛藤を描いた人間ドラマでもある。
そして特殊な状況だが、母親の夢でもある宇宙飛行士への道を描いた。

元夫の協力無くして夢は叶えられない。理解ある家族がいたから実現できた夢でもあるなぁと思う。
長期不在の母親の代わりに愛娘を預かる父親の奮闘ぶりは余り描かれないが、結構大変だっただろう⁈
娘の骨折や発熱、新しい学校での勉強、友人関係などなど…

終盤、娘ステラと一緒にロケットを見るという約束を果たすところは印象深いが、警備厳重なバイコヌール宇宙基地の宿舎から抜け出し戻るシーンは、ドキドキするサスペンスだが、見つからずに戻れたのは少し無理がある⁈

クライマックスのロケット打上げ後、彗星の様に宇宙へ消えていくロケットが小さくなっていくシーンは、『ライトスタッフ』のラストと重なり胸が熱くなる!

主役のサラ演じるエヴァ・グリーンは、『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)のボンドウーマン、ヴェスパー役が印象深いフランスの女優さん。
本作では、母親役ながら相変わらずの素晴らしいプロポーション‼️

実の母は『雨の訪問者』(70)で知られる女優マルレーヌ・ジョベール‼️余り似ていない⁈

サラの一人娘ステラ役のゼリー・ブラン=ルメルはオーデションで300人もの中から選ばれ、少年にも見える初々しい演技を見せる‼️

現在の宇宙飛行士の訓練風景も目新しく、また国際宇宙ステーションに向かうミッションなので、訓練はロシアの"スターシティ“、
打上げはカザフスタンの"バイコヌール宇宙基地“と、中々観られない景色も興味深く観た。

エンドロールで紹介される、実際の女性宇宙飛行士たち、こんなに多くの女性が宇宙へのミッションに旅立っていたんだと、驚きと喜び‼️
日本の女性宇宙飛行士、山崎直子さんの写真も出てくるので、テンション上がります‼️

またそれぞれの写真は子供たちや家族とのショットで、本作を観終わった後に幸福感に包まれ、それぞれの家族のドラマがあったと
想像を掻き立てられる!

観て良かったと思える良作でした‼️



忘備録
(Wikipediaより)
"スターシティ”または"星の街“(ズヴョーズドヌイ・ゴロドク、ロシア語: Звёздный Городо́к, Zvyozdny gorodok; little town of stars の文語的表現)

モスクワの北東32km、シチョルコヴォ近郊に位置する、非常に制限された軍の研究・訓練施設である。1960年代から宇宙飛行士はガガーリン宇宙飛行士訓練センター (GCTC) で訓練を受けていた。

ソビエト時代には、厳重に警備された閉鎖都市で、外界からは隔離されていた。現在では、ロシアの宇宙飛行士の多くは、家族と共にスターシティに住んでいる。この町には、郵便局や店舗、学校や保育所、映画館、スポーツ施設、駅、宇宙旅行の博物館がある。また近くのチカロフスキー空港(Chkalovsky)が利用できる。

・"バイコヌール宇宙基地”(バイコヌールうちゅうきち、露: Космодром Байконур、カザフ語: Космодром Байқоңыр、英: Baikonur Cosmodrome)

カザフスタン共和国のチュラタムにあるロシアのロケット発射場である。現在、ロシア連邦宇宙局が管理している。
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