ペコリンゴ

フル・モンティのペコリンゴのレビュー・感想・評価

フル・モンティ(1997年製作の映画)
3.6
記録。
裸一貫のヒューマニティ。

失業したオッサンたちがストリッパーを目指し切磋琢磨する、そんな映画。後にブロードウェイミュージカル化もされた佳作。

いやいやオッサンの裸なんて誰が見たいねん!て思ったけど、これがなかなか良きでしたね〜。コメディというカテゴリーはちょっと違和感あるかな。ユーモアはありますけどね。

友人同士の2人と元上司、オーディションで選ばれた3人の計6人からなる男たち。それぞれに決して軽くはない事情を抱え、個性際立つ面々。本作の最大の魅力は彼らと関連人物が織りなす人間ドラマ。

なかでも発案者ガズと息子ネイサンの親子愛は一番のグッとくるポイント。褒められた父親じゃない。でも息子を案じる気持ちは強くて、養育費と共同親権を失わないためにこの馬鹿げた計画を考え出す。ふざけてないんですよ。息子もそんな父親を信頼していて付き合うんですよね。これは尊い。

このガズを演じるのがロバート・カーライル。『トレイン・スポッティング』のベグビー役。髭無いから最初気づかんかった(笑)

ステージで眩い照明と満員の声援を浴びながら衣装を脱いでく中年男たち、なかなか素敵でしたよ。