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帰郷のmonochicaのネタバレレビュー・内容・結末

帰郷(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

廃れた荒屋でひとり血を吐く老人、宇之吉。かつては木曾福島で名を馳せた博打打ちであった。
親分の罪を背負い、木曾を出て江戸に身を寄せるのだが、しかしそこで世話になった棚の主人を手に掛け、その妻と駆け落ちをする。以後三十年の歳月が経ち、生の涯が見えたとき、故郷・木曾福島へと向かう。拭い去れない罪と後悔を背負って。


仁義渡世のやくざものというよりも、ふとしたことにより不義理を働いてしまい帰れなくなった男の胸懐とは。
いっくら強かったとはいえ老いた男が刀をマトモに振るえるはずもなく、作中後半の久蔵との泥沼な果し合いはこの作品が初めてなんじゃないだろうかといったふう。なんてリアリズム。よぼよぼ。
8kにこだわった映像美ということで、山野の風景や日が暮れてからの家屋の様子まで、リアリティと色に富んでとても美しく、見てるだけでもその雰囲気の良さを楽しめた。
「果し合い」と今作と、この制作チームでの続編がとても楽しみにしてる。
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