藤沢周平の時代小説を原作とした渡世人時代劇。
渡世人の宇之吉は、親分の罪を被り身を隠すために、恋人に3年後に戻ると約束して旅立つ。
放浪先の江戸で、世話になった恩人の妻と不義しているところを見つかり、恩人を殺してしまう。
宇之吉は「セミが鳴いてなきゃ何もなかったのに」と、自分に言い訳をする。
その妻と二人で逃げるが、妻をも手にかけてしまう。
年老いた宇之吉が故郷に帰ってくると、町や家屋は昔のままであったが、人は知らぬ者たちばかりであった。
変わるのは人の心。
「ああ ええ月だ！」
「命を粗末にするんじゃね～ 命は人のために使うんだ！」
「みんな死んじゃうな 寂しいな～」
「ありがとよ」
宇之吉と一人の娘の生き様を通して、人の心の強さと弱さを描いた珠玉の作品。
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