サマセット7

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのサマセット7のレビュー・感想・評価

5.0
MCU27作品目。スパイダーマンの実写映画化作品としては8番目の作品。
監督はMCU版スパイダーマン前2作と同じく、「コップ・カー」のジョン・ワッツ。
主演は「カオスウォーキング」「悪魔はいつもそこに」のトム・ホランド。

[あらすじ]
前作「スパイダーマン/ファーフロムホーム」のラストで全世界に正体を暴かれたスパイダーマンことピーター・パーカー(トム・ホランド)。
殺人容疑もかけられ、恋人のMJ(ゼンデイヤ)や親友のネッド、育ての親メイ叔母さんも世界中から好奇の目を向けられる始末。
進退極まったピーターは、かつての戦友にして魔術師ドクター・ストレンジを頼る。
彼はピーターに、全人類にスパイダーマンの正体を忘れさせる大魔術を提案し、実行に移すが、魔術が暴走し、宇宙の摂理が乱れてしまう。
その結果、ドクター・オクトパス、グリーン・ゴブリンといった、多元宇宙のスーパー・ヴィランたちが続々と現れ、世界にかつてない危機が訪れる…。

[情報]
アメコミ界の二大巨頭マーベル・コミックの超巨大プロジェクト、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。
同一世界観にヒーローたちを一同に活躍させるMCUは、今作で劇場作品は実に27本を数える。
ディズニープラスで配信されているドラマシリーズ4本も加わり、前人未踏のプロジェクトはまだまだ止まることを知らない。
今作は、その最新作にして、マーベルコミックの看板ヒーロー、スパイダーマンを主役に据える作品である。

スパイダーマンは、2002年に初めて劇場映画化された。
映画化権は当時経営不振だったマーベルからソニーに売り渡されての映画化であった。
トビー・マクガイアを主人公ピーター役に据えたシリーズは好評を博したが、3作目の不評や監督と製作の方向性の違いもあり、3作で打ち切られた。
ストーリーは、何とも消化不良のまま、悲劇的な幕切れとなってしまう。

その後ソニーはリブートを企画。
アンドリュー・ガーフィールドをピーター役に迎え、2012年、アメイジング・スパイダーマンとして新たなスタートを切った。
しかし、2作目にして、ソニーは、2010年にスタートしたMCUとの合流を決意。
あえなく、アメスパも2作で、前シリーズ以上に残酷な形で打ち切られてしまう。

その後、トム・ホランド版スパイダーマンもすでに2作。
もはや、スパイダーマンといえばトム・ホランド、というイメージも確立した感がある。

そして、今作。
公開前の予告映像に、世界は熱狂した。
マルチバース(多元宇宙)という世界観を打ち出した今作において、かつてのシリーズのヴィラン(悪役)たちが蘇る!!
しかも、かつてのシリーズの配役そのままで!!

今作は先行して欧米で公開されたが、軒並み高評価と記録的なオープニング成績を叩き出している。

日本での公開初日に劇場で鑑賞。

[見どころ]
MCUファンかつスパイダーマンシリーズファンにとっては、全てが見どころである。

[感想]
映画・スパイダーマンシリーズのファンにとって、これ以上の贈り物はあるまい。

途中からじゃぶじゃぶ涙が出てきた。

これまでのスパイダーマンのシリーズを見返してから観ることをオススメする。

プロジェクトの壮大さと製作の企みも込みで、満点をつけざるを得ない。

[テーマ考]
今作は、スパイダーマンとは何か、そして、スパイダーマンの敵役とは何か、を問い直し、総括し、温かく抱きしめる作品である。

MCU版も含め、これまでのスパイダーマンシリーズに欠けていたものが、ここにはある。

[まとめ]
スパイダーマン・シリーズの集大成的な、奇跡の作品。
2時間半の上映時間は、一瞬で過ぎ去った。
また観に行きたい。