ヨミ

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのヨミのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

聖人絵巻的面白さ(高橋ヨシキ)、は「面白い」のか???

公開前から種々の予測を生み、ネタバレが非常に警戒されていた本作だが、まあ予想通りっちゃ予想通りでした。過去作総出演のお祭り。

ただ、常に展開されるのは「知った顔が出てる!」感情で、それは「面白さ」なのか?については考えさせられる。
『アベンジャーズ』自体がそういうものではあるし、ひいては『レディ・プレイヤー・ワン』や『フリー・ガイ』も同様。高橋ヨシキが聖人絵巻的、つまり「知っている聖人が出てくるとアガる」でしかないと批判的に言っていたことでもある。ガーフィールドに「お前はアメイジングだよ!」と伝えるところは笑ったけどそんな楽屋落ち的なギャグを突きつけられても……。

あと、ヴィランを治療する、というモチーフは精神医学における治療主義を思わせる。治療と包摂inclusion、もしくは多層性の許容でいくか。

疑問点としては、メイが死んでしまうとベン=スターク構造が崩れるがそれはいいのだろうか……。「大いなる力」話法もありましたね。

ただ、ガーフィールドがMJを助けるところで泣いてしまった。尊厳の回復ですね。キャラクターを「復活」させる意味としてはここは強いのでは(しかしグウェン=ゼンデイヤとはならない。代理表象である)
常に間テクストというものが意識させられたが、『アベンジャーズ』の基本構造であり、膨張し続けるマーヴェル・シネマティック・「ユニバース」の本質はある意味でここにあるのかもしれない。なので、こうなることが当然の帰結だったのかもとは思える(だって観終わったあとに「げ! 次は『ワンダ・ヴィジョン』も履修しなきゃかよ!」と思わされるとは予想だにしてなかったもの)

画的に素晴らしかったのは「ミラー次元」でした。おい! 俺はそういうわけわからん映像が好きだ!!!
ぐるんぐるん列車が回って分裂して回転してビルが上下に生えて素晴らしかったですね!!

事前にアメスパとライミ版を観返して思ったが、スイングシーンを始めとする演出はやはりライミが飛び抜けてますね。隙間をすり抜けるところとか映像快楽がすごい。
つーわけでライミ版『ドクター・ストレンジ』が待ちきれません!!!
ヨミ

ヨミ