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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのKtoのレビュー・感想・評価

4.9
【説明】
ミステリオに正体を明かされ、まともな生活が送れなくなり困ったパーカーが、ドクター・ストレンジに懇願し「皆がスパイダーマンの正体を忘れる魔法」をかけてくれと頼む。ところが呪文がうまく唱えられず(パーカーのせいで)、魔法に失敗し、マルチヴァースが交通し、歴代のヴィラン達が"現在"に集合してしまう…。

MCUスパイダーマンの3作目であり、歴代(サムライミ監督の三部作、アメイジングスパイダーマンの二部作)のヴィラン達が召喚されるというファン垂涎の豪華会。

【感想】
(ネタバレなし)
😭😭😭

(以下、ネタバレあり)













これを実現してくれたMCUに心から感謝…。
スパイダーマン映画史総集編となる、涙なしでは観られない大同窓会だった…。

ヴィランだけじゃなく、二人のスパイダーマン(トビー・マグアイア、アンドリュー・ガーフィールド)が出演するという大目玉を漏洩しないでいてくれる全ての紳士なるファンにもありがとうと言いたい…。

深刻なシチュエーションでもジョンワッツ監督ならではの軽快な会話劇(「お前が6回も邪魔するからだ」「5回だよ!」とか、「グランドキャニオンに12時間もいたんだぞ!」「観光?」とか)は流石で、MCU版スパイダーマンが過去の説教臭いヒーロー像から一線を画している由縁だと思った。今回もずっと面白い。

VFXも凄くて、一番感動したのは戦闘シーンよりも、パーカーがストレンジに追いかけられる「ミラー次元」のシーン。天地がひっくり返り、3D万華鏡のようになる映像は本当にサイケデリックで圧巻だった。スパイダーバースにも近い、それだけで映像芸術として成立してた…。カッコ良すぎる。

歴代ピーターパーカーで最も報われない転機を辿っているのが、"アメイジング"のピーター(ピーター3)、彼はアメイジング2でグウェンを失いシリーズも打ち切りになってしまった。その彼が、上空から落ちていくMJを救った後の涙の意味は計り知れないよね…自らも救われているんだ…。
「ずっと兄弟が欲しかった」と口にするくらい、暗い過去を背負っていて(作中も作外でも…)。そんな彼が一番喜んでた様子だったのも本当に最高だった。ネッドが呼びかけて三人のピーターが同時に返事するシーンと、二人のピーターに「愛してるよ!」っていうシーンはアンドリューガーフィールドのアドリブらしい。俳優自身もテンション上がってるのが伝わる最高のシーンじゃん…。

アヴェンジャーズにいたんだよって言ったら、「なにそれ」「バンド?」ていう下りも笑った。

偉大なる力には、偉大なる責任が伴うことを痛みを通じて体得したピーターが今後どうなるのかも密かに楽しみ。

"call me sir"→"call me steven"もヤバい。

ちなみに、エンドロールの曲はde la soulのthe magic numberって曲で、歌詞中に"three is a magic number"とあって、まさに三人のスパイダーマンが集結した総集編に相応しい音楽だった。MJとネッドとピーターの"three"という見方もできるけど。
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