なっすん

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのなっすんのレビュー・感想・評価

4.5
―大いなる力には…―
 
     ―大いなる責任が伴う―

【あらすじ】
ベックの策略により、正体をばらされ殺人犯に仕立て上げられたピーター。スパイダーマンは民衆から非難の的、その影響は友人であるがゆえ、ネッドとMJにまで及んでいた。この一件をなかったことにするためストレンジに助けを求めたピーターだが、自身のわがままにより術は失敗、マルチバースの扉がついに開かれてしまう―


◆◆◆◆


とんでも展開というか、衝撃展開がつぎから次へと訪れる問題作でしたね。劇場でみたけれど、日本ではあまり見られない海外のような劇場内のどよめきを感じることができた。

グリーンゴブリンからエレクトロまで、過去5作品のヴィランが集結するお祭り映画、懐かしの登場はただただ盛り上がるしかない豪華な展開。サム・ライミ版、マークウェブ版ともに打ちきりに近いシリーズの終わりかたをしてしまったばかりに、ウィレムデフォー、アルフレッドモリーナ、ジェイミー・フォックスなどオリジナルキャストのカムバックは、不完全燃焼だったファンたちにリベンジのチャンスが与えられた気分だった。

ホームカミングにはトニー、ファーフロムホームにはフューリーやハッピーのように、今回にもピーターの指導者兼善き理解者にある人物が任される。それがストレンジなのか、ハッピーなのか、はたまたオクタビアスやその他の別次元からの来訪者の誰かになるのかは見てからのお楽しみである。

スパイディのブラックゴールドスーツは、捻りなく考えてストレンジ製の魔法スーツかと思いきや、まさかそんなオチだったとは笑
ミラーディメンションでのひと悶着もわりと長尺で用意されていたり、ストレンジワールドが好きな人には良い演出ですね。

少し残念なのは、この映画がトム・ホランドの“ホームシリーズ”完結編としては少し弱いストーリーというところ。過去作品の要素をいれてしまったばっかりに、「そりゃ面白いよ。当たり前や」って感想になってしまう。
ピーターの正体がばれてしまったという設定はいつの間にかおいてけぼり、後半は衝撃展開も相まってもはや忘れていた。ストレンジという、アベンジャーズメンバー主要人物の登場も、途中からほったらかしになってしまったのはどうかと思った。

とはいえ実際MCUの映画は今作品に関わらず、楽しみの趣旨が“主役ヒーローの活躍”よりも、別作品からの“サプライズ登場”に重きを置いてるのが今回でより強く感じた。

スパイダーマンシリーズを過去作から追いかけてきた身としては、この度のスパイダーマンは非常に楽しめたし、奇跡の作品で間違いはないです。
なっすん

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