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ファースト・カウのRekoのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
3.8
Fan's Voice様のオンライン試写会にて。

ケリー・ライカート監督作、初鑑賞でした。
あらすじのみで想像していたドーナツ作りメインではなく、"クッキー"とキング・ルー二人の出会いと再会、共同体としての生活を経て生まれた友情の物語でした。

拳を交えるような激しさや熱さがある友情ではなく、静かに語り合い、肩を寄せ合い、寄り添って眠るような穏やかな友情がとても沁み渡りました。
『ファースト・カウ』へ語りかけながら乳を搾るシーンのクッキーの優しげな声や言葉、牛への眼差しも愛溢れるもので、とてもミルクを盗んでいるとは思えないほどでした(笑)
牛の方もクッキーに心を許しているようでしたね。

穏やかで心優しくお人好しなクッキーと、移民ながら頼りになる兄貴肌のキング・ルー。二人の会話や声のトーンも落ち着いていて、ずっとこの二人の物語を見守っていたかったです。

映画冒頭シーンで既に結末が示唆されていましたが、終盤になり「もう終わってしまうのか」という気持ちになりました。
疲れて眠るクッキーを見るキング・ルーの表情と、最後の言葉がグッと刺さり、思わずうるっとしてしまいました。
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