ファースト・カウの鹿のネタバレレビュー・内容・結末

今日はクリスマスイブで日曜日。映画館に向かう途中にカップル(鳩含む)が目立つ。そんな方たちのジャマにならない、デートでは選ばないだろう、という基準で選んだ本作が､ある意味カップル映画だったのは皮肉。これは、構成が良いのだろう。観客は冒頭で「結末」を見せられる。そしてその結末があまりにも結末過ぎるために､「その結末に至る物語」を気を抜かずに追っていけるのだ。普通の時系列だけで見せられた時には起こらない感情がまんまと動かされる。ある意味あざといとも思うが、構成が似ているといえば似ているといえないこともないような気がしないでもない、派手な背景で打ち上げ花火的な印象もある「タイタニック」とは違う、押さえた緊張感と避けられない結末に向かうところに静かな感動がある。二人の関係性が､どちらか一方がもう一方を振り回したりするような極端な差を感じさせないことも良かった。ものすごくドラマチックなエピソードなしに、生き馬の目を抜く開拓時代に利用するとかされるとか、損得勘定ではないいつの間にか助けあっていることが伝わってくるのは結構すごいことなのではないか。