Kaz66

ファースト・カウのKaz66のレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
3.6
USインディ映画界の俊英(といっても僕より年上の女性)、ケリー・ライカート監督作品。
この作品は故ロバート・アルトマン監督が西部劇に初挑戦した「ギャンブラー」に大きな影響を受けているらしい…。
舞台は西部開拓時代の後のオレゴン、歴史モノとして時代を象徴するような出来事や事件を描くわけではなく、もちろんヒーローやヒロインの物語でもない。その頃の開拓者たちの料理人(身体的強さのない)クッキーと、中国からの移民キング・ルーという市井の外れ者たちのなだらかな友情を描く…。
町(村?)の有力者のところに初めてやってきた雌牛から、夜な夜なミルクを盗み搾ってドーナツを作り一攫千金を狙うクッキーとルー。最初は上手くいってたのだが…、という大きな歴史とは全く関係のないってとこがアルトマンっぽいって事なのかな?(観てないのでわかりませんが…)
まぁ、もうちょっと“波”があってもいいのでは?と思っちゃいましたが…、雄大な自然の中のちっぽけな人間の営み…、でも静かで趣のある美しい映画でした。
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