KeiRalph

ファースト・カウのKeiRalphのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
4.1
序盤の素手で掘ったら二体の人骨発見、というシーンが、ああ、A24が好きそうな世界観…と思いましたが、その後は、森と牛乳とドーナツにまつわる、多国籍な男2人の友情物語でした。

ダイジェストで説明したらなんともしょうもない映画ですが、人を選ぶかも知れませんが、それぞれの主張が過不足なく配分されてて、なんかずっと見ていられる…まあ、そう言いながら序盤ちょっと寝落ちしましたけど。

時代的にワイルドな頃合いなので、野望や欲望がドロドロ渦巻くような展開なるはず(その端緒がキラーズ・オブ・ザ・フラワームーンだと思いますが)ですが、殆どが深い森林で起きる出来事だからか、血生臭さ全開でないこういう世界観もいいなぁ…と思いました。

パン職人のクッキー(名前)が薄汚れた手で作る衛生面度外視のドーナツが、これ絶対うまいやつと思わせるのも、キノコ狩りでひっくり返ったイモリを元に戻したり、牛の乳を忍んで搾る時に、牛に優しく撫でながら語りかけたりするシーンが脳内に刷り込まれてるからだと思います。

主人公の2人含め、どのメンツも今よりいい暮らししたい、という欲望ある割に、誰もが明らかに浅はかな所も、見終わってもイヤ〜な感じしないのも素敵でした。牛も可愛いかった。
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