habakari

ファースト・カウのhabakariのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
4.0
劇的なるものに背を向け、生活に根付いたアクションを切り出し、静かに不穏な雰囲気を醸していく。サスペンスになりそうでなりきらない、絶妙な座り心地の悪さも独特。例えばオリオン・リーがボートで逃走する件、リー視点の主観ショットから追跡者視点の横移動に繋げておきながら、追跡者の姿は映さない。スリルにギリギリ転換されない不穏。
終わりを規定するプロローグとどこか穏やかなラストの落差もまた良い(現代シーンの船/バイク/飛行機の動作音と、開拓時代の鳥の囀り/葉の擦れ合う音の落差も)。
habakari

habakari