こうみ大夫

ファースト・カウのこうみ大夫のレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
4.4
今最も流行ってる監督、ケリーライカート。こんな作品にこれだけの集客があるのだから、如何に今、五月蝿い映画たちに観客が疲弊してるか分かる。
おっさんがドーナツ作って売ってるの可愛い過ぎかよ。暫くは可愛いおっさん映画の時代が続くな、と確信。
真面目な話をすると、牛からクッキーが生まれ、クッキーから人間の欲が大きく展開し、その欲が人間同士の不和と境界線を作り出す。最後牛の周りに柵を作ることは、それまで象徴的に登場していた家の中から窓の外を観るという視点と通じる「境界」という考えなのだろう。自然を大切に頂いていた時には無かった所有の概念が人を不幸にし…という感じか。ここら辺は見事だし、今世界の映画のトレンド「多言語を織り交ぜる」もちゃっかり抑えてたりする。
でもケリーライカートいつも眠いのはただ歩くシーンをフレームインフレームアウト、同じサイズ感で繋いでいくからだよなぁ。そこが分かったことが今回の収穫。
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