かさま

ファースト・カウのかさまのネタバレレビュー・内容・結末

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

冒頭で結末が示されるので、最後は二人でいるのだろうという安心感と、今がその時でないようにと祈る気持ちが両方あった。二人は舞台となっている開拓時代の狩猟やらで儲けようとしている人々が集まる土地で主流となるタイプの人間には見えず、犯罪行為をやってはいるんだけど、頑張って生きてほしいと思ってしまう。
料理人のクッキーに他の仲間のような荒々しさはなく、最初のパーティーが解散したあとは働き口が見つからない。キング・ルーは中国系移民で、野心とビジネスのアイデアはあるものの実現するためのツテがない。二人とも孤独であることが見て取れて、打算含みで一緒に居始めたかもしれないが、親しくなるのは自然に思えた。
前半は特に静かでゆっくりとした進行だが、二人の性質や感情の描き方が細やかで、男性二人の親密な関係の物語と、小規模な犯罪のサスペンスが成立している。
市場からキング・ルーの家へ帰る途中も小屋がいくつか建っていたが、あそこに住む人たちも主流からこぼれたはみ出し者のように見える。面白い視点の西部劇だった。
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