Keigo

ファースト・カウのKeigoのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
4.0
目黒シネマでのイ・チャンドンの特集上映の期間が短いのもあって年末はそちらが優先だったものの、ずっと楽しみにしていた『ファースト・カウ』もどうしても2023年中に観たかった。どこかでねじ込めないかと考えていたら、12/26に観たかったイ・チャンドンの二本の間にちょうどいい時間が!…ということで目黒→渋谷→目黒と軽やかに移動して1日3本鑑賞。至福の1日。

ところがこの日の2本目『ファースト・カウ』の鑑賞中、身体にまさかの異変が…

なんと眠気が…!!!
信じられない…この俺が大好きなケリー・ライカートの楽しみにしていた作品で、眠くなるだと…?

なんとか粘って完全に寝てしまうことは無かったものの、やや集中力を欠いたまま終わってしまった…

作品はいつものスローペースだし、やたらと暗いシーンが多かったのも事実だけど…つまらなかったから眠くなった訳じゃないはずだ……いやいや!年末で俺も疲れてたんだよな!と自分に言い聞かせながら、レビューを書こうとしている今の今までずっとモヤモヤしているので、書きながら決めました。

明日もう1回観に行ってきます。
その上でスコアを付けよう。
そうしよう。


【追記】
2024.1.3 池袋シネ・リーブルにて再鑑賞。

まず分かったことは暗いシーンが観辛いのは劇場の問題ではないということ。どちらで観ても夜のシーンは暗かった。外的な問題じゃないならやっぱりケリー・ライカートが意図した暗さで、意図した画面だったわけだな。まぁ、時代設定を考えれば照明が煌々とたかれているのもおかしいもんな。

2回目の鑑賞は睡眠もしっかり取ってわりと万全の状態で望んだけど、結果的には最初の印象とそこまで大きくは変わらなかった。

冒頭大きな船が横切るシーンからずっと、自分が思うケリー・ライカートらしさのようなもの、世界を切り取る繊細な眼差しは随所に感じられたし、この時代にもこういう性格の人間だって当然いたよなと思わされる着眼点にも、そんな彼らを主人公にすえて彼らと社会との接点に現代に繋がる普遍性を見出す発想にも舌を巻いたけど、でもなぜだろう、いつものようにグッと掴まれるような感覚がそこまで無かった…

それがなぜなのかは2回観てもいまいちピンと来ていない…皆さんのレビューを拝見して、ゆっくり考えてみることにしようと思う。

日本昔ばなしならぬ米国昔ばなし的な寓話性があって、『オールド・ジョイ』とも『ミークス・カットオフ』とも似た要素もありながらもこれまでとはまた違った味わいのある作品で、決して嫌いではないんだけどスコアで言うならこれぐらいかなと、個人的には。

これでケリー・ライカート作品は全てをコンプリート。今作もそれでも4.0だからやっぱり好きなんだし、これからも新作の公開が楽しみな監督の1人であることに変わりはない。次はどんな作品を観せてくれるんだろう。
Keigo

Keigo