スーパーエイプマン

ファースト・カウのスーパーエイプマンのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
4.0
少しの光だけ灯った部屋の中、2人で会話する場面や、逃走中の男がネイティブ・アメリカンに連れられて川を下っていく場面。そして豪邸の中でのネイティブ・アメリカンの描き方。この豊かさよ。
ケリー・ライカートの映画は静かで削ぎ落とされているのだが、些細な会話やちょっとしたシーンで映画全体を押し広げていくのが非常に上手いと思う。

開拓時代を描いていながら銃声もほとんど響かず、馬の代わりに牛が出てくる。個人的にはジャームッシュ『デッドマン』に並ぶ解体された西部劇として愛したい。