みーちゃん

ジャンゴ 繋がれざる者のみーちゃんのレビュー・感想・評価

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)
2.5
タイミングが合わず、見逃したままになっていたのでレンタル。確かにシュルツとジャンゴの対等なツーショットの騎馬シーンには心揺さぶられるものがあった。

ジェイミー・フォックスは、いつも瞳の奥が暗くて、どこか泥臭くて、良い意味で地味だなーと思っていたが、こんなにかっこいい人だったのね。帽子も似合う。

奴隷問題や歴史について、ここでは触れないが、私はこれは復讐劇ではなく、前半は賞金稼ぎのビジネス、後半はシンプルにヒルディを取り戻す話だと思う。で、そんな大きなテーマは掲げない方がいいのでそれはそれで良いが、娯楽性の一部分しか感じなかった。私が西部劇で好きなポイントは描かれておらず、なんだか違う!とモヤモヤした。

その理由を考えると、途中でシュルツを失い、ジャンゴが自力で救出しなくてはいけなくなったからだと思う。

誤解を恐れずに言うと、ジャンゴは類稀なるポテンシャルの高さと強運でここまで来たが、なんせ"自由"を手に入れてからの歴史が浅い。だから特にバイオレンスにおいては、美学や叙情が、まだ醸成されていないのだと思う。

これまではシュルツにカバーされていたが、彼の存在が無くなり、それが露わになった。と考えると理解はするし、その意味を深読みさせつつエンタメに振り切ったのなら、リスクを伴うチャレンジングな演出だと思う。

いずれにせよ、クリストフ・ヴァルツは良かった。彼が亡くなった瞬間、作品の命や華も消えたと感じた。