ダンクシー

ジャンゴ 繋がれざる者のダンクシーのレビュー・感想・評価

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)
3.8
「俺は1万人に1人のニガーだ」

このどことない西部劇感がめっちゃ良いんだよな〜!マカロニ・ウェスタン!黒人ガンマン、ジャンゴ!!歴史的意義のある作品ですね。ルイス・バカロフの「Django」はなんか耳に残って、つい口ずさんじゃうくらい好き。

"ジャンゴ"と言えば、ディカプリオの迫力あるアドリブ演技が有名ですよね!咄嗟の機転を利かせたアドリブ演技は言われないと気づかないほど。

賞金稼ぎのドイツ人キング・シュルツは奴隷制度を嫌悪しており、黒人奴隷のジャンゴを鎖から解き放ち自由にし、賞金稼ぎの相棒にする。シュルツはジャンゴの狙撃の実力を認め、2人で賞金稼ぎの旅を続けて次々とお尋ね者を取り押さえた。ジャンゴは銃の腕を磨き、稼いだお金で奴隷市場で売り飛ばされて生き別れになった妻を買い戻すと決意した。そして2人は、農園の領主のカルヴィン・キャンディの元にジャンゴの妻が居ることを突き止める...。

奴隷制時代における黒人の賞金稼ぎによる痛快な白人退治。当時の立場がまさに逆転したような形となる。くぅ〜!白人の残酷さは想像を絶するレベルで、この作品の黒人差別シーンは生々しくて嫌悪感を感じるほどにえげつない。黒人奴隷をペットのように扱う。いや、愛情なんてないからペット未満の扱い。黒人同士の殺し合いに、犬に食われる黒人奴隷。それを笑って傍観する白人。そんな白人達に銃をぶっ放すジャンゴは最高にクール。

タランティーノといえば、会話劇が独特なのが特徴的。本筋と関係の無い無駄な会話。しかしそれがとても魅力的!俺は彼の作るやりとりが大好き。口が悪かったりするが、ブラックユーモアがまた面白い。作品の中心に会話を据えて映画としての流れを作るやり方が面白いし真似したいくらいだ。

白人は普通の職業で普通の暮らし。当時の黒人差別がどれほど酷く強烈な事だったか。しかもそれが当たり前の常識だったというのだから。。今作はかつての歴史における異常な差別の実態を何一つ隠すことなく存分に描いたアメリカ映画においてほぼ唯一の作品。未だ根強く残る差別問題。我々黄色人種も差別対象なので、無視できない事実。ジャンゴのように撃ち殺せればいいものの、それは出来ないので平和に解決したいものです。。。
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