リンチェ

返校 言葉が消えた日のリンチェのレビュー・感想・評価

返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)
4.0
台湾ホラーゲームの映画化『返校 言葉が消えた日』が無料配信されたので、再見しました。

60年代、台湾は中国国民党により戒厳令が敷かれており、共産党のスパイ防止策として、国民には相互監視と密告が義務付けられていた。
丸刈男子のウェイはチャン先生とイン先生が極秘で行っている発禁本の読書会に参加していたが、何者かの密告により逮捕・拷問を受けていた。そんな折、ブチャラティカットの女生徒・ファンは、誰もいない学校の教室内で目を覚ますのだった…。

自由に「文化」に触れることが出来なかった時代に「起こってしまった」悲劇的な青春群像劇でした。ある事をきっかけに、少しずつ少しずつ歯車が狂い、世相という荒波に呑まれ、そして流されていった者達の姿は、涙無しでは観られません。
ホラー演出もおどろおどろしい雰囲気が非常に良く、悪夢がそのまま形になったようでした。そういった意味では、若干某ホラーゲームにも似ているかもしれません。クリーチャーは物語上で重要な意味を持つ反面、デザインや攻撃方法などのホラー要素は薄めかも。

レビューするのは2回目ですが、やはりいつものノリでは書けませんでした。
今でこそ華々しい台湾の、40年にも渡る暗黒期。恥ずかしながら、私はそんな時代があったことをこの作品を観て初めて知りました。
この作品のラストと、ある登場人物の言葉が、鑑賞後にいつまでも胸に残りました。ネタバレ防止のため、拼音表記します。

bie wangji le
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