このレビューはネタバレを含みます
アキカリウスマキ、という名前を知っていたけれど、作品をひとつも観たことが無かった。
最新作の『枯れ葉』も観ていない。それにともなって、行われていた、アキカリウスマキ特集も、ひとつも観なかった。
観たかったのだけれど。
ゴールデンウィーク最終日に、ほんとうにやることがなくなったので、何か映画を観ようと思って、これを選んだ。
長編処女作。だいたい、処女作というものに、その監督の資質がすべて表われている。
おもしろかった。こんなにおもしろいとは思わなかった。それも、なにがおもしろいのか、あんまり分からないけれど、おもしろいなあ、と思った。
これがアキカリウスマキか。
エヴァがいい。あのヒロインがいい。顔もいい。ファッションもいい。キャラがいい。
ドストエフスキーの『罪と罰』は読んだことがある。そのソーニャとはえらいちがいだ。エヴァはほとんどしゃべらない。主人公に対して何も言わない。
不思議と、いいんだよな。
あと、友達もいい。英会話の練習しているのいい。髪型もいい。スープの飲み方もいい。
80年代の、おちゃらけた感じが表面にありつつも、ずっと静かな感じなのが、不思議だ。
主人公が最後のほう、オペラを観に行くのが好き。
うまく、言えないけれど、「関係」だけで、物語を成立させているような感じで、大好きだ。
ヘイミスター近所の映画館。アキカリウスマキ特集。もう一度組んでくれ。