大筋は金塊強盗を追う刑事という
とてもコンパクトなお話。
でもその分シネマスコープの画角で映される
雪山・吹雪の暴力的なスケール感との対比で
鮮烈なインパクトを残す作りになっている。
また主人公の刑事、仇の金塊強盗とも
大した人間じゃないというのもポイント。
主人公は復讐に妄執を燃やすも
それに囚われすぎている嫌いがあるし
犯人も悪人ではあるものの
他の映画で出てくるような華のある人物ではない。
このちっぽけな対立構造が
吹雪が去ったら忘れるような
小さな事件の中核にいるというのが印象的。
それでいて戦い方はちょっとランボー的というか
ちょっと知恵比べするところがニクい。
会話や間で緊迫感を出すのも上手い。
いつ撃たれてもおかしくない状況下で
凍えるようなピーんと張り詰めた空気感を
作り出していてお見事。
その分全体的に地味という感じはあるものの
正直かなりパワフルな一作だと思う。
確実に狙いにいった
序盤と終盤で重なる1シーン。
まんまと狙いにハマり
やられた!という感想。