けーすけ

きみの瞳(め)が問いかけているのけーすけのレビュー・感想・評価

3.5
2020/10/08(木) 一ツ橋ホール 報知新聞社主催・写光レンタル販売協賛の試写会にて鑑賞。10列17番。こういった試写会ってのは初めてでした、ありがたやー!

塁(横浜流星)は過去に自信が犯してしまった罪に苛まれ、人知れず隠れるように過ごしていた。ある日アルバイト先として働いていた駐車場管理の仕事で事務所にいたところ、突然「はい、おまんじゅうとミカン!」と女性が差し出してきた。彼女は明香里(吉高由里子)といい、目が不自由だがとても明るい女性だった。どうやら以前管理人をしていたおじいさんと仲が良かったらしく、この日も差し入れを持ってきたのだった。勘違いから始まった出会いだったが徐々に二人は惹かれあっていき・・・









『ソラニン』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』や『思い、思われ、ふり、ふられ』(実写)の三木孝浩監督作品。2011年製作の韓国映画『ただ君だけ』のリメイクとの事で。

以下、核心ネタバレはありませんが、本編内容と鑑賞時の感情に触れてますので未見で気にされる方はご注意ください。







主演の横浜流星と吉高由里子がキラキラとしていた!
視覚障害を持って生きる女性、柏木明香里を演じた吉高由里子も新境地の映画だったと思います。完全な盲目ではなく、明るさ等は多少わかるような設定。
演技なので実際には見えているのですが、目の見えない仕草や雰囲気は自然な感じだったかと思いました。


塁を演じた横浜流星は過去に起こしてしまった事件があり、冒頭は闇を抱えた雰囲気の口数少ない演技をしております。一度は離れてしまっていたキックボクシングを明香里との出会いをきっかけに再開し、徐々に明るくなっていく感じが爽やかでステキ。
冒頭、横浜ナンバーの「横濱屋」の軽トラに乗ってお酒の配達をする横浜流星の姿には「どんだけ横浜かぶせてくるんだ…」って笑えます(横浜が舞台だからあえて、かな)。

また、横浜流星は本作にあたって10kgの増量と肉体改造をしたとの事で、引き締まった身体も見どころの一つかと。ただ、吉高由里子と抱きしめ合うシーンでは横浜流星の方が線が細く見えたのが何とも・・・。笑
吉高由里子も決して太くはない体形なので、横浜流星がどれだけ細かったのか…!




物語の前半は吉高由里子が、いつも駐車場にいたおじいちゃんとドラマを一緒に見るために来たところ、そのおじいちゃんはいなくなっており代わりに働き始めていた横浜流星と出会う、といった場面から始まるのですが、二人の勘違いのやりとりがクスっと笑えほっこりと面白くて一気に世界観に引き込まれていくことに。

中盤以降は闇社会との話や、二人の恋がどうなるのかにもドキドキし、吉高由里子と横浜流星の出会いには“二人が出会う為には必然ではありながらも辛い偶然”が過去にあった事が描かれたり、痛々しい格闘シーンにハラハラしたり、終盤のまさかの展開に「えっ?」となったりと、ただの恋愛映画ではない感情の揺さぶりが多かったです。

色んな小物やエピソードなど、わかりやすい伏線のバラまきと回収は三木監督らしいなあとも感じた次第。


ただ、ラストあたりは「どうだ!どうだ!!」と次々に展開をもってくるので少しくどく感じてしまったのが正直なところ。でもやっぱり泣けたけど。





正直なところは開映前に司会の方から「泣けた泣けた」と聞かされ、ハードルが上がってしまった感が否めなかった。とはいえ、ストーリーや設定には苦しい部分は多少あるものの、この先どうなるんだろうと気になる展開が次々とあって楽しめる恋愛映画でした。


[2020-153]
けーすけ

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