馮美梅

きみの瞳(め)が問いかけているの馮美梅のレビュー・感想・評価

3.5
家族旅行の途中の事故で失明しかけている女性・明香里とキックボクサーとしての将来を期待されていながら突然ジムから消えてしまい、数年ぶりに戻ってきた青年・塁。

塁の新しい職場はビルの管理人。そこに突然馴れ馴れしくやってきた女性が明香里だった。目が見えない(光はわかる)明香里は塁を叔父さんと勘違い、戸惑いながらも少しずつ塁も明香里がやってくるのを楽しみになってくる。目が悪いゆえに臭覚や感覚に過敏な明香里に指摘されて慌てる塁が面白い。

キックボクシングジムの会長やコーチは突然いなくなったり、戻ってきたりする塁に腹を立てながらも、その才能をうずもれさせたくないと思う。

最初は人生諦めたような塁が、上司の必要なセクハラに対しても「仕事探すのも大変だから、どんなことがあってもまた明日何もなかったように仕事する」という明香里と出会うことで少しずつ変わってくる。2人が束の間の幸せを味わっている中にも明香里の視力の低下が悪化してきたり、逮捕の原因になる反グレ仲間からの嫌がらせに自分のできることをかけて戦いに向かう。

横浜流星さんは本当に綺麗、それだけじゃなくて、キックボクシングのシーンのスピード感のあるファイトシーンが本当にお見事。さすが極真空手の元チャンピオンです。

明香里の事故の原因の一つとなったのが自分が関係していたこと、明香里の事故の現場を塁自身見ていたことを分かって、苦しむ塁。

最後に地下格闘技で勝利し、明香里と別れようとしたとき更に塁に悲劇が怒る。どこまでも不幸に見舞われる塁が可哀相。明香里の目が見える時に自分の顔を知られたくないため痕跡を消そうとする様子も切ないし、明香里が視力を取り戻した後、偶然病院にマッサージボランティアにやってきた時、再会する時も切ない。

最後、偶然入店したお店「アントニオ」が明香里のお店とわかり、嬉しい反面、何も言わず去ろうとする塁にさすがワンちゃんが反応してるのに明香里がわからないのがもどかしかったけど、最後ようやく、塁が本来帰るべき場所、明香里の元へ戻ってきたのは良かった。お願いだから反グレの連中、もう来ないでって願うのみ(あんだけやったからもう大丈夫だろうけど)
馮美梅

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