台本無し、撮影日数4日間。
カメ止めを生んだいわゆる映画学校のワークショップ映画。
「原発反対」とシュプレヒコールをあげない極々普通の人々。
3.11で忘れられがちな辛くても辛いと言えない人の話を描きたいと監督が語っており観に行ってみた。
劇中
東京五輪の工事の音
と
震災復興の工事の音
津波を生んだ海
と
渋谷の人波
それぞれ重なり合うように編集されており鳥肌。
津波に唯一流された姉、
を今でも探す親と
姉の痕跡に会いに行く妹。
霊媒師を使って会えた姉に毎日念仏をあげる両親だったが、その念仏もたまにしか届いていない。
それに対して、母親が絞り出すように、
「そっか、、たまにしか、届いて、、ないか。。」と語る。
そんな両親の想いとは裏腹に、上野で家出少女と出会う。
他人とは深いところではわかりあえないかもしれないが、帰るところがある
というのが、どれだけ身に染みて大事なことか・・
吉野監督の切り取る街や人。
好きです。