Maoryu002

オフィシャル・シークレットのMaoryu002のレビュー・感想・評価

4.1
キャサリン・ガン(キーラ・ナイトレイ)はイギリスの政府通信本部で働いていたが、2003年、イラクとの戦争を進めるためにアメリカがイギリスに諜報活動を指示するメールを見つける。キャサリンはこれを報道機関にリークするが、彼女は政府に起訴され、弁護士ベン・エマーソン(レイフ・ファインズ)とともに戦争の違法性を追求することにする。

こういう社会派スリラーは大好き。
扱う題材も展開も、「記者たち~衝撃と畏怖の真実~」を思い出させられ、また「スノーデン」のようでもあった。そして、それらと同じくらい面白かった。

ただ、現実は戦争が始まってしまうわけで、とても意義深い内容なだけに残念で悲しくなる。

この映画の主人公は要人でもなくメディアでもなく、多国語を扱える一般人で、2年GCHQで働いているというだけの女性だ。
そんな普通の人が予期される戦争被害に心を痛めメールを持ち出すというのは、些細なことのようですごい勇気だ。
そして、その結果として生活を破壊されるという恐怖が描かれている。

主演のキーラ・ナイトレイの演技が素晴らしかった。「プライドと偏見」「つぐない」「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」などなど観てきたが、今までで最も力強い演技だったと思う。

そして監督は「ツォツィ」「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」という傑作を生んできたギャヴィン・フッド。
本当に骨太ないい映画を作る。次回作も期待だ。

映画館に行く価値のあるいい映画だった。
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