けんじ

プリズン・サークルのけんじのレビュー・感想・評価

プリズン・サークル(2019年製作の映画)
4.5
先に本を読んだけど、本より映像のほうが断然面白かった。刑務所内のリアルな生活を見ることは初めてだったし、それだけで見る価値があると思う。
TCの取り組みは素晴らしいし、犯罪者の更生には1番必要なものだと思う。
犯罪者には過酷な家庭環境による虐待、イジメ等何らかの背景があることが多いと思うが、それでも犯罪者にならない人がいるのも人間の不思議なところ。その人たちには社会でサンクチュアリがあったのだろうか。
TCを通じて人の話を聞き、自分の話をし、自分と向き合うこと、被害者・罪と向き合うことで彼らにはきっと大切な気付きがあると思う。自分と向き合えないからこそ罪悪感がないのかなとも感じた。
TCを経験してもなお、出所後再犯率が0にならないことに対する人間の恐ろしさ、社会の恐ろしさを感じた。
刑務官、社会復帰調整官、定着支援センター、保護会、保護司、生活保護等色んな機関が彼等に関わるが本当の意味でのサンクチュアリになりきれないのかなとも思う。自分もその内の1つの立場だけどなれていない自覚があるし、なることの難しさも感じる。そういう立場に居ても前科者というだけで、色眼鏡で見てしまうこともあるし、社会はもっと彼等を色眼鏡で見てるし、社会に溶け込めるような環境にはなっていないのが現実。社会も溶け込めるように努力する必要があると思うし、彼等も溶け込む努力をしなければいけないと思う。社会が変わっても人(一般市民)が変わることが1番困難かもしれない。
人が居る限り犯罪がなくなることはないと思う。人が1番恐ろしい。
人それぞれ色々抱えている問題や思うところはあるけれど、犯罪はダメ、ゼッタイ!
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