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プリズン・サークルのyayouのネタバレレビュー・内容・結末

プリズン・サークル(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

以前も見たが、今回はしっかりと見た。
取材許可に6年、密着2年のドキュメンタリー。
「あたらしい刑務所」
撮影をはじめたのが2014年、今だと10年経つ。
黄色が印象的🟡
対話をベースにするプログラムTC
4人の男性の受刑者の姿を主に捉えている。

加害と被害。加害者であるが被害者でもある。虐待や育児放棄、いじめ等々をうけたから人を傷つけていいとは思わないが、加害者である彼らに加害を与えた人は罰せられないのだろうか? 

トークで監督さんが、自分ごととしてとらえてほしいと言っていた。犯罪者と自分は遠いところにいると感じるだろうが、捕まってないだけで、周りにたくさんいる。たしかに。。
自分が被害者にも加害者にもなっていないのは、もしかしたらたまたま運が良いだけなのかもしれない。今のところ…

でも聞いていて、理解できないところはある。窃盗がいけないことと思えないとか、その思考回路とか。

興味深かったのは、
 自分の中の葛藤する2人。椅子を2つ用意して、どちらの自分の言い分も、もう1人の自分に話し聞く。すごい神経すり減りそう。
 被害者の気持ちになってグループでその事件の話をする。自分の被害者の気持ちはわからないけど、人の犯行の被害者の立場になるとよくわかった、と。
 嘘をつく男の子のおとぎ話と、その結末。

監督さんも言っていたが、きっと絶句してしまうような経験話はもっとたくさんあるだろう。
被害も加害も向き合いたくないことだけど、そこから自分を知って得てこれからどう生きるかに結びつく。それはみんな一緒だ。
全ての経験によって自分が作られるのなら刑務所の中のTCの経験は素晴らしいものだと思うが、そこは特異な場所だから、実際の社会にでたら、現実とのギャップが。
刑務所からでた人の姿も見られて、頼もしかったり、心配になったり。

人に話す。誰かに話す。
最近みたドラマでも、その重要性がうかがわれた。話すことって大事なんだな。対話。

バスから降りて駅の人ごみに消えていった拓也さん。これから嘘をつかなくていいよう、そして1人でなければいいな。


握手は接触になるから禁止らしい。取材した監督さんに握手を求めたら、更生してから、と言われていた。
砂絵が子供時代の陰を効果的に表現していた。
私の心もすこし曇ってしまった。
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