にょいりん

プリズン・サークルのにょいりんのレビュー・感想・評価

プリズン・サークル(2019年製作の映画)
4.0
全国でも数少ない矯正プログラムに取り組む刑務所の受刑者達が語らい、そして自己と向き合う2年間を写し取ったドキュメンタリー。
内容だけでは単調で地味そうな印象ですが、途中で挟み込まれる砂のアニメや重すぎず上品な音楽によって思ったよりポップな映画でした。

罪を犯したという同じ境遇の他のメンバーに全てを包み隠さず話せる環境が、自分とその犯した罪への向き合う強い後押しになっていると感じました。
自身の過去を振り返って自分が安心できる場所(これをサンクチュアリというそうです)が家庭にもどこにもなかったという事が罪を犯した自分を作ったかもしれない、という振り返りをする受刑者が何人もいました。獄中のサンクチュアリで始めて安心できた受刑者が自身を振り返って辿りついた、罪とその被害者への真の贖罪と自分への許しに心が揺さぶられました。

なぜなら、私にはサンクチュアリがない事に気づいてしまったからなのです。